10. 脈を診て何がわかるのでしょうか? PART2


東洋医学の不思議な考え方のひとつに、「部分に全体が宿る」といったものがあります。
具体的にいえば、足裏をみれば全身のことがわかるといったことです。
耳も全身のことがわかるといわれています。
耳は「胎児が逆さまの形で人体の各器官が投影されている」といわれ、耳たぶを頭として、耳を胎児のようにみたてて、身体の各部分をあてはめていくようです。
もっとも足裏も耳も、私は専門でなく詳しくはわからないのですけれども。
図をご参考にしてください。

また、腹もそうで、次のような図が伝えられています。太い線が腹の輪郭です。
このように全身を割りふっています。

この図もなかなか興味深く、実際腰が痛いときは臍の周辺に、五十肩のときは季肋部に反応の出るものです。
このようにある部分から全体のことを推し量ることができます。
脈もそうで、手首の脈に全身の状態が投影されていると考えています。
脈の都合、なかなか図にはかけないのですが、手首に近いほうが頭で、肘に近いほうが下半身をあらわします。
また、脈の表面は身体の表面を、深い部分は身体の深部をあらわしています。
こうして脈のどの部分に硬いところがあるのか、流れの悪いところがあるか、などを診ていきます。
こうした見方もしながら、皆様の全身をとらえていっています。