3. 運動(体操)について


今回は運動(体操)について書いてみたいと思います。
健康に暮らす上で身体を動かすことが大切だということに異論はないでしょう。
皆様が運動は必要だ、と考えておられることと思います。
しかし、なかなか運動できない、長続きしないとおっしゃる方が多くおられます。
この理由のひとつに運動にたいする考え方が影響しているように思われます。
皆様は運動に関して、「身体を鍛えよう」とか「筋肉をつけなければ」と考えてはおられないでしょうか。
もちろん、そのような点も運動することの功徳です。
しかし、運動することの意味はそれだけではありません。
健康のための運動ならば、他にもっと大切な意義があります。
それは「身体の力を抜いていく」「リラックスする」ということです。

野口体操の創始者、野口三千三さんは「体操は自分でやるマッサージ、マッサージは人にやってもらう体操」とおっしゃっておられます。
まさにそのとおりで、放っておくと硬く縮こまってしまう身体を、ほぐしてのびやかにすることが身体を動かすもっとも大切な意味だと思います。

こうした目的で運動するときは、楽にらくうーにきもちよーく動きましょう。
またまた野口三千三さんの言葉ですが、「生きている人間のからだ、それは皮膚という生きた袋の中に、液体的なものがいっぱい入っていて、その中に骨も内臓も浮かんでいるのだ」というイメージが私は大好きです。
こんなイメージで身体の液体をゆらゆら揺らすように身体を動かすと気持ちいいですよ。
さて、そんなふうに身体を動かせる運動をひとつご紹介します。
それは気功の世界で「スワイショウ」といわれているものです。
とても簡単で、ただ手をぶらぶらさせるだけの運動です。

やりかたとしては、
1.両足を肩幅に開いて足先は閉口に立ちます。
2.膝は少しゆるめで、リラックスします。
背骨は頭のてっぺんから吊り下げられている気分でまっすぐにします。
3.手のひらを内側にして、両手をそろえて前後に振ります。
4.できるだけ腕に力がはいらないよう、重さを感じながら、自然な振り子運動にまかせます。


というものです。これを繰り返し行います。難しく考えずに気楽に行って見て下さい。
15分~20分程おこないますと千回前後手を振ることになります。
べつに教えることはないのですが、そのぐらいをひとつの目安にするといいと思います。

コツとしては後ろに引くときは少し意識して引き、前に振るときは自然にまかせることです。
また、膝をゆるめて立つ感じがわかりにくければ、1度力を入れて膝をつっぱってから、力を抜きゆるめてみてください。
自分男身体の中の液体の揺れ、内臓の揺れ重力を感じながらぶらぶらさせていると、とっても気持ちいいですよ。
身体がぽかぽかしてきます。また、単純な繰り返し運動ですので、頭の休息にもなります。

船井総研の船井幸雄さんもこの運動を毎朝、テレビを見ながらしていると御著書にお書きです。
それによると、この運動をはじめてから、視力が0.1ぐらいから0.8まで回復されたそうです。すごいですね。

テレビを見ながらでも、音楽を聴きながらでも、また屋外でも、屋内でも簡単にできる運動です。
是非一度お試しください。